鳥の巣

鳥の巣に鳥が入つてゆくところ    波多野爽波

家の前に鳩が巣を作った。しかし、ここ数日鳩の姿を見ていない。どうやらここに住まうことは諦めたらしい。観察する気満々だったのに、残念。

掲句は、一見短い散文のようだ。俳句たらしめているのは、やはり五七五の定型によって、最後がしっかり切れていることではないかと思う。だからこそ余韻が生まれ、鳥が入っていったあとの姿まで想像が膨らむのではないだろうか。